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2018年3月 5日 (月)

明神坂(上野毛)

第三京浜入口の近くの崖線にこんもりとした森がある。 5千坪はゆうにあろうかという崖線の森はロッキード事件で有名な小佐野邸。 近くには東急グループの五島邸もあるが、そちらは美術館などで一部公開されている。 国分寺崖線沿いは桁はすれの有力者が多い。そんな崖線をクランクで上っていく急坂が明神坂である。

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実は私はこの近所に以前住んでいた。 もちろん崖線下の庶民である。 坂の入口の向かいには丸美屋というパン屋さん、いわゆる昭和の食料品店だが、もう長い事閉まったままのようだ。 このパン屋さんの裏手には昭和30年代半ばまで明神池という大きな池があったと聞いている。六郷用水(丸子川)を渡るといきなり傾斜の急な道になる。 上の写真の右の森が小佐野邸。坂上左にも小佐野邸があるが関係は知らない。

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坂下に坂名のみの石柱が建っている。 昔もあったかどうかは「記憶にございません」。 ちなみに児玉誉志夫邸は隣の等々力、ご近所だったわけだ。 この坂は昔から地元の人も使いたがらない急坂だった。 雪の時は何台も上れずに往生しているのを見かけたものである。

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坂上の崖線上からの眺望はすこぶるいい。 古い坂かと思いきや、昭和に入ってからの開通のようである。 かつて江戸時代から明治にかけて坂上には六所明神があった。 現在は第三京浜の向こう側、野毛2丁目に移り、野毛六所神社となっているが、それに因んだ坂名である。いささか時代が離れているが、名残惜しんでの坂名かと思われる。

隣の稲荷坂の稲荷神社は六所明神が野毛(下野毛)に移転したのちに、上野毛の名主だった田中家の稲荷を表に出したもの。 六所神社が上野毛にあった頃、上野毛と下野毛で隔年交代で祭りを主催していた名残りが今も続き、稲荷神社の祭りは隔年で盛大になる。土地の習わしというのは残っているものだ。

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坂上を左折すると民家の間に「稲荷塚古墳」がある。 大きな古墳ではないが、前方後円墳で全長は20m以上、盛り上がった後円部分の高さは3mほど。野毛大塚古墳以前のものらしく、4世紀後半とされる。

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