愛宕坂(大蔵)
坂下は座頭ころがし坂の庚申塔のある打越辻である。 坂を上っていくと、崖側には遊歩道がめぐり、国分寺崖線の林の中をいろいろと散策できる。 ただしマムシも出たことがある。 落葉広葉樹と常緑広葉樹が季節ごとの色で迎えてくれる素敵な崖線である。
崖上は世田谷区の総合運動場で、400mトラックの競技場が出来てから道筋が付け替えられた。 それ以前は祖師ヶ谷大蔵駅東側の山野地区からの南北の道が陸上競技場の真ん中を突っ切っていてそのまま崖下の辻に落ちていた。
樹木に覆われた道が気持ちいい。 この道と永安寺脇の新坂を通っていたのが鎌倉街道だという言い伝えもある。 ただ鎌倉街道は網目のように走っていたから、古道であることだけは確かであろう。 庚申塔を右へ(北へ)曲がると石井戸、まっすぐ行くと大蔵の本村。 座頭ころがし坂は辻から現在の環八沿いを南北に走っていた別の鎌倉街道に抜ける道だったようだ。
坂の崖線に沿って仙川沿いにあるのが昭和36年にできた大蔵団地。 翌年昭和37年に大倉運動公園ができ、この坂を変えた陸上競技場ができたのが昭和45年である。 大蔵団地は桜の名所だが、戦後植えられたソメイヨシノも寿命を迎え枯れ始めるとともに、住民の老齢化で空き部屋もかなり多くなってしまった。 大蔵団地は3期に分けて2027年までに全棟建替えられる。 今年(2018年)2月から解体が着手されると聞いている。
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