稲荷坂(上野毛)
東急大井町線上野毛駅から多摩川方面へ下る坂道が稲荷坂である。 坂下で六郷用水を渡るのが稲荷橋。 坂下やや中腹寄りに稲荷神社がある。 この稲荷坂は江戸時代からの道である。江戸時代はもっとくねくねと曲がっていた。 現在の坂は切通しになっているが、昔は崖を滑り降りるような傾斜であった。
坂上の路地を北に進むと東急グループ総帥の五島家がある。 五島美術館が公開されている。 五島昇の葬儀(1989)の時には、五島家から稲荷坂そして現在の二子玉川ライズの方まで黒塗りのハイヤーが埋め尽くし、バスが通行できなくなった。
坂の南側は自然公園になっている。 公園内の崖線の階段を昇り降りするとこの崖線のすごさが分かる。 しかしこの道は江戸時代は二子道と言われる主要道だった。 江戸時代は4mほどの道幅だったが、明治になって現在の幅に拡幅された。
江戸時代の道はこの稲荷橋で二子玉川方面に曲がり、六郷用水(丸子川)沿いを通っていた。 坂下は畑だったが、度々氾濫する多摩川のためにほぼこの坂下が川岸と言ってもよい。 それより先は河跡湖(三日月湖のようなもの)だった。 その手前で六郷用水沿いに曲がった古道が二子玉川方面に進み、その先で二子の渡しで多摩川を渡ると、川崎側の地名は二子村であった。 多摩川の向こうも二子であったので、今でも川崎市側の駅は二子新地という名前である。
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