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2018年4月16日 (月)

原の坂(中町)

上野毛通りは多摩川沿いから環八を横切り等々力六丁目で目黒通りにぶつかる都道。 国分寺崖線を上野毛の稲荷坂で急登し、環八を過ぎると谷沢川へ緩やかに下っていく。 谷沢川を宮前橋で越えると、今度は玉川警察署交差点に向かって原の坂を上っていく。坂上は駒沢から等々力までの尾根筋を通る江戸道と呼ばれた古道。そして上野毛通りも二子道と呼ばれた古道である。

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中町付近は昔は野良田と呼ばれた地域で、清流の谷沢川の周りに田畑が広がるのどかな里だった。 野良田というのは、もともと草の生い茂った野原を開いて田んぼを作ったことに由来する地名である。坂下の谷沢川の宮前橋下流には姫の滝という数メートルの滝があった。 昭和13年の水害で滝は崩壊し現在は堰堤になっている。

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また橋と坂の間には天祖神社がある。創立は不明。 もとは神明宮と呼ばれ、明治になってから天祖神社となった。境内には弁財天もあり、谷沢川とは深い関係の村社だったことが分かる。 神社は小高い丘にあることが多いが、この天祖神社は川から遠くない平地にあるのはいかにも野良田の鎮守という気がする。

原の坂の名前の由来はこの辺りを「原」と呼んだことに因むという説がある。 旧地名では坂上を東原・麦原久保、坂の南側を南原と言っていた。 原という地名は記録にはなかったが、それら旧地名を総称して坂名が付いたのかもしれない。

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この辺りは現在でもまだ畑の残るところがあり、昔の風景を偲ばせる。 いったん丘の上まで原の坂で上った道は、尾根筋の江戸道を越えると再び下り坂になり、深沢方面から流下してきた呑川に向かう。 古道なので切通しになっておらず、土地の起伏をそのまま上下するので歩いても楽しい道である。

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