八幡坂(鳩森)
原宿と千駄ヶ谷の間に鳩森八幡神社がある。 富士塚で有名。 千駄ヶ谷一帯の総鎮守として、昔から親しまれてきた。 創建は貞観2年(860)、平安時代前期である。 千駄ヶ谷の富士塚は管制7年(1789)の築造。 昔のままの姿を残している東京都内では最古の富士塚。
年々説明板やおまけのPRが増えてきて俗っぽくなってきたのが残念。 ただ都内の富士塚の中ではやはり横綱級で、ビルの上に上るよりもここから望む方が満足度が高いから不思議である。
渋谷区には八幡坂が二つ、一つは金王八幡宮の東側、青山学院大学から並木橋に下る坂道。 もうひとつがこの鳩森八幡の脇の八幡坂である。
神社の入口の北西側の道路が八幡坂。 傾斜もさほどではないし、まっすぐで普通の坂道である。 江戸期にはなかった道で、明治期以降に開かれた。 江戸時代が終わっても徳川家は特別の扱いを受けており、この少し北側にある現在の東京体育館の敷地すべてが徳川邸だった。 また神社の南側にも明治時代から戦前まで徳川邸があり関係があるのではないかと調べたがわからなかった。
坂下から望むとここが上り坂だということがよくわかる。 ここは東側には新宿御苑西の天龍寺を源頭とする渋谷川が流れ、文化服装学院の西側を源頭とするその支流が代々木を経て神宮前で渋谷川に合流していた、その二つの流れの間の台地である。
瑞円寺はその尾根筋だが、尾根の先っぽはビクタースタジオの裏手のあの何故ここにあるかわからないトンネルの南にある。 仙寿院というお寺の墓所になっているので、ビクタースタジオは都市伝説に事欠かない。 その辺りはどんなに都会化しても、土地の記憶がきちんと残っている例であろう。
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