地福寺坂(祖師谷)
祖師谷5丁目にある釣鐘池は古くからの湧水池。 かつては豊富な水量を誇っていたが、現在はわずかに池底から湧くのが確認できるレベルである。 池を中心に縄文時代から人が住着き、周辺には遺跡も多い。 戦後湧水が枯れ始め、昔の様な池ではなくなったが、今も仙川に注ぐ沢は一部開渠であとは暗渠化されているが沢筋は確実に残っている。
釣鐘池の名前の由来は、日照り続きで農民が困ったとき、それを救おうと僧が寺の鐘を抱いて入水したところ、たちまち大雨が降った、というような言い伝えが複数諸説ある。 実際には単純に武蔵野ローム層の地層によるものである。
釣鐘池の北側を西に上る坂がある。 これが地福寺坂。 2014年までは坂の北側に豊かな樹木に囲まれた成城学園哲士寮があったが、2014年に売却され切り売りされて戸建が並んでしまった。 この場所は、この坂の名前の由来にもなった地福寺があった土地。 成城学園はここを大正時代の初期から区分所有していたから地福寺は明治以前に廃寺になったのだろう。 それでも残された崖線の自然だったが残念である。
この細い坂道は明治以前から、金兵衛坂下の鞍橋からこの地福寺坂を経て塚戸へと繋がる古い道。 しかし今でも住民にとっては重要な道なので、世田谷区と小田急が運行するコミュニティバスも走っている。
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