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2018年6月22日 (金)

薬罐坂(杉並区上荻)

薬罐坂というのはあちこちにあるが、概ね狐狸貉などの化け物が出るという言い伝えから付いたものが多い。  この薬罐坂は青梅街道の八丁交差点から、善福寺川に架かる神明橋に下る道で、橋を渡ると南側は再び上りになる。

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地元に伝わる話では、雨のしとしと降る夜、八丁で一杯ひっかけて家に帰る途中、人家のない坂を下っていると、真赤に焼けた大きな薬缶が道の真ん中に転がっていた。 ほろ酔い気分でその薬缶を蹴っ飛ばすと、その焼けた赤い薬缶がころころと坂下まで転がっていった、というのがある。

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その話以前にも、この坂は鬱蒼と樹木の生い茂る場所だったので、狐や狸に化かされたという話があったようだ。 昭和初期以前の地図を見ると、実はこの坂は現在の様なまっすぐな道ではない。 中央線の南から下ってきた稲荷坂と兼吉さん坂がぶつかる辺りから川沿いに上り、途中から北に向かって標高を上げていく道筋だった。

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昔の子供たちはこの薬缶の話を怖がっていたという。 今の子供たちからは想像できないが、そういうおどろおどろしいものを教育から廃除すべきではないのではないかと思う。

薬罐坂が再び上り中央線をくぐる場所は、中央線高架化以前は踏切で、その脇に大きな一本松があった。戦前のこの場所の写真にも周辺に民家はなく、道路は砂利道で、かつ周辺は鬱蒼とした林になっている。

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