豆腐屋坂(杉並区西荻北)
とても分かりにくい坂で地図を見ながらの探索になる。 中央線西荻窪駅の北西に区立桃井第三小学校がある。 そこからさらに東へ進むと、西荻わかば公園という小さな公園があり、その前から北に向かって下る50mほどの短い坂。 現在は高低差が殆ど感じられないが昔はもっと傾斜があったのだろう。
住宅の間の路地だが、この道は戦前からあり、これより東側は民家もまばらだった。 公園側の道は西から延びてきた道で、坂下にある東西の道はそのまま一本松、兼吉さん坂に続く古い道筋であったが、現在は道筋が変えられてしまって民家の裏道になっている。
さらに時代を遡ると、この先(北側)の善福寺川手前には城山と呼ばれ、荻窪八幡を祀った領主の館址があったと伝えられる。
豆腐屋坂というから豆腐屋があったのかと思うとそうではないらしい。それでも古くから豆腐屋坂と呼ばれていたといわれ、坂上の十字路ではサイノカミの火祭りが行われた。サイノカミ(塞ノ神)というのはいわゆるどんどん焼(どんど焼き)のことである。 どんどん焼はしばしば村の外れの境や峠、道の辻で行われることが多く、外から入ってくる災厄を防ぐ狙いがある。 ここが道の辻、かつ村はずれの境であったことを意味している。
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