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2018年6月16日 (土)

永泉寺坂(下高井戸)

永泉寺坂は甲州街道の下高井戸から永福町へ抜ける古道が甲州街道から神田川沿いに下っていく坂道。 道の東側は永福1丁目、西側は下高井戸2丁目で町境になっている。 坂上は甲州街道沿いを流れる玉川上水。 その上水に架かる下高井戸橋からの下りになる。

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上水の北側には寺が沢山ある。 西側(下高井戸2丁目)には龍泉寺、東側(永福1丁目)には本應寺、永昌寺、栖岸院、法照寺、浄見寺、善照寺、託法寺、真教寺、そして広い築地本願寺の和田堀廟所が並ぶ。 一大寺町になっている。 そのほとんどが、関東大震災の被災により、都心部からこの地に移転してきたものである。

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その並ぶ寺院の中で、永昌寺は少し異なる歴史がある。 もともと坂の西側に永泉寺という寺があった。 一方永昌寺は新宿区愛住町辺りにあったが、明治43年に永泉寺と永昌寺が合併して、この地に移転したという。 永泉寺坂の地名の由来となった永泉寺は、永昌寺に吸収されてしまったが、坂名だけはそのまま残ったということである。

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その永泉寺に祀られていたのが玉石薬師。 この玉石というのが、玉川上水の永泉寺付近の工事の折、光沢のある玉石が掘り出され、その石の光沢の中に薬師像が浮かび出たことから祭られるようになった。 寺は上水の工事の無事竣工を念じて供養し、付近の人々の信仰も深まって、毎月8日の縁日は永泉寺ボロ市と呼ばれて賑わった。 この市が有名になったので、永泉寺の名前も現在に残されたのである。

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