元坊坂(久我山)
久我山駅から西へ馬車みち(旧府中街道)を進み踏切を越えるとまもなく久我山稲荷神社がある。 創建は不明。 古来から久我山村の鎮守として親しまれてきた。 東隣には久我山幼稚園もあり、稲荷神社は神田川に下る崖の突端に建っている。
この稲荷神社の西側を上る道が元坊坂である。「もとぼうざか」と読む。 昔、この坂上に光明寺という寺があったが、光明寺騒動という事件があって寺はつぶれたと伝えられる、と杉並区の資料にはある。 また、この光明寺は火災で移転し幕末の廃仏毀釈で廃寺になったとも伝えられる。
「もと坊があったことから元坊坂と呼ばれたらしい」とも区の資料には書かれているが、このもと坊は正しくは本坊ではないだろうか。寺院の建物で住職が住む僧坊を本坊と呼ぶが、これを「もとぼう」と呼んでしまい坂名になったのではないかと推察する。
光明寺騒動については、久我山稲荷神社のサイトに面白い話があるがとても興味深い。 こういう伝承をしっかりと編纂してもらえると、地元への愛着も深まる気がする。 それにつけてもこの坂の景色は良い。 神社の境内の鬱蒼とした樹木、くねった道筋が歴史の深さを感じさせてくれる。
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