御嶽坂(南池袋)
南坂の北側にあるのが御嶽坂。 この坂も弦巻川が削った谷から台地に上る坂道である。 別名三丈坂とも書く。 場所的にはこの坂を上るとその北側一帯が雑司が谷霊園になる。
坂の北側にあるのは御嶽山清立院という古い寺院。 神仏習合時代からこの寺は御嶽神社を祀っていたので、この坂の名前になった。 この坂は地図を確認しながら行かないと見つからないかもしれない。
清立院の創建は1229年~1232年頃とある。 境内に雨乞いの松があり、日照りの度に人々が集まり、緑を潤す雨を願い雑司が谷に雨を恵んだという。 江戸時代の切絵図を見ると、弦巻川が清立院の西から南へ巻くように流れている。 周辺は寺院、武家屋敷、百姓地が混在するのどかな土地だったようだ。
高台にあるので境内からの眺めもいい。 坂の南には江戸時代旗本大久保氏の抱屋敷、坂の北側清立院の裏手一帯は御鷹部屋となっており、今の墓地の西半分には将軍の鷹狩りのための施設があった。 明治になって墓所を持たない東京市民のために共同墓地が造営され雑司が谷霊園となった。
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