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2018年7月10日 (火)

染井坂(豊島区駒込)

染井坂は西福寺と駒込小学校の間の坂道。 道筋としてはそのまま谷田川(藍染川)まで下り、そこから東進して霜降橋に出る。 坂下までは上駒込村、川沿いからは西ヶ原村だった。西福寺の開山は不明だが、江戸時代初期にはすでにあったとされている。境内には染井稲荷神社がある。

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坂下の駒込小学校の辺りは、江戸時代は大分県豊後府内藩二万石の抱屋敷だった。坂を上ると植木屋通りに面して、三重県伊勢津藩32万石藤堂家の下屋敷があった。 そして現在の染井霊園の辺り、谷田川(藍染川)の源頭の湧水池がある辺りには兵庫県播磨林田藩1万石竹部家の下屋敷があり、そこに湧いていた名泉を「染井」と呼んだのが始まりで、そこから村の名前にまでなった。

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江戸時代の染井は相当賑わったようで、江戸の市民の経済が1700年過ぎから国の安定と共に大きく拡大し、植木の人気は極めて高かったという。 今でも下町に行くと家の軒下に植木鉢が並ぶ風景を目にするが、この染井がそういう江戸の街の姿に影響を与えてきたのである。

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坂上には植木屋として活躍した旧丹羽家の住宅蔵が残され、旧津藩江戸下屋敷の門が移築された公園がある。 この門は前述の伊勢津藩藤堂家の門だったものを丹羽家が持ってきた。 その移築方法は現在も残る曳家という方法で、明治の初期に染井通りの向かいの丹羽家に移築し、さらに近年そこにマンションを建てるため、この裏手の公園に曳家で移築したようだ。

門は腕木と言われる梁で屋根を支える建築様式で、江戸時代の腕木門としてはこれが唯一現存するものらしい。

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