谷津観音の坂(北区滝野川)
谷津観音の坂はごく短い直線の坂道で極めて緩やかな坂道で、石神井川にかかる観音橋から北にある真言宗寿徳寺までの短い坂である。 首都高速中央環状線の開通で様相が激変した西巣鴨から滝野川八幡神社前を通り石神井川の観音寺橋に至る道は江戸時代からの古道である。
橋の北側に谷津大観音が鎮座している。 これは2008年に寿徳寺の境内外に設置されたいささか俗っぽい観音様。 さすがに拝観料などは取らないが、個人的にはなぜこんなものを作ったのが疑問に感じた。
谷津観音の坂はここから50mほどの緩い坂。特に何も表現のしようがないが、寿徳寺の参道の一部だった道なので、歴史は古い。 寿徳寺の創建は鎌倉時代。 境内には新選組近藤勇の墓がある。 板橋あたりからこの滝野川では、近藤勇はある種ヒーローの様な印象がある。
坂上から見ても向こう側が少しだけ低いな、という程度のものである。 江戸時代の切絵図にはこの道に大門道と書かれている。明治維新の新選組隊長の近藤勇は板橋刑場で斬首された。 そして首は京都の三条河原にさらされたが、胴体はここ寿徳寺に埋葬されていると伝えられる。
寿徳寺には谷津子育観音が安置されており、境内のイチョウはかつては遠くからも望めた大銀杏だったが、今は枯れて折れた後再び枝を芽吹かせている状態である。
寿徳寺の入口の右側に近藤勇のレリーフなどがある。 左の地蔵脇には坂の標柱がある。 不思議な場所に建てたものである。
「この坂は、石神井川にかかる観音橋の北から寿徳寺へ登る坂です。坂名は、坂上にある寿徳寺に谷津観音の名で知られる観音像がまつられているからです。江戸時代には大門通ともよばれていました。谷津というのはこの当りの小字名です。今でも 谷津子育観音とも呼ばれる谷津観音へお参りに行く人々などに利用されています。」 とある。
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