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2018年9月19日 (水)

とりげつ坂(板橋区西台)

板橋区西台二丁目は西に前谷津川の暗渠、東はもう一つの沢筋を町境にしており、その間は川筋よりも20mほど高い台地になっている。 現在の首都高速5号池袋線よりも北側の団地地帯は一帯が米作農地であった。 この東側の沢筋は極めて短いので、江戸時代でも子供が跨げるほどの沢でしかなかったと思われる。

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この沢筋と西側の台地の間の斜面を上っていくのがとりげつ坂である。 この道は相当古い道で、江戸時代には中山道から西台の峡田道、そしてとりげつ坂から南坂を経て、川越街道へ抜ける重要な村道だった。

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この坂道の西側の台地を昔、「とりが谷津山」と呼んでいた。 その山沿いに上る道なので、とりがやつがとりげつに転化して坂名になったと言われる。坂下から坂上へ緩やかではあるが20mほどの高低差を上っていく古道だ。 谷側には新道と呼ばれる広い道路が開通していて、通る人も少ないとりげつ坂は古道の雰囲気を残している。

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坂上には馬頭観音堂があり、古くから街道筋だったことがわかる。お堂に守られているので風化の少ないきれいな馬頭観世音である。寛政二年とあるので、1790年の馬頭観音だが200年以上を経ているとは思えないくらいきれいだ。台座に「門前谷念仏講中」、側面に 「南 祢りま道、東 戸田渡し道、西 吹あげ道、北 はやせ道」とあるので、道標でもあったのだろう。 門前谷といのはこの谷のことかどうかは不明。 南は練馬ということである。 坂を上ってきた旅人がここで一服したに違いない。

Photo:2017/1/29

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