番場稲荷の坂(板橋区西台)
伝説のツルマイ池の沢筋を挟んで急坂の北側を東に向かって上る坂道が番場稲荷の坂である。 谷筋の道路は万博(1970)以降に開発された道で、この番場稲荷の坂がそれまでは西台へ向かう主要道路だった。 歩いてみると何となく不思議な昔の道路を感じさせる。
勾配はそれほどきついとは感じないが、やや急坂の部分もありいつの間にか高度を上げている。 現在の道交法では道路は4m以上となっているが、昔は2.5mの道路もたくさんあった。 ここも戦後しばらくは狭い主要道だったのを、高度成長期の頃から整備したのだろう。
不思議さを感じるのはこの残されたガードレールである。 昔は崖際に走る道だったと考えられる。東京オリンピックう以前は崖側には民家がなく、昔は崖っぷちだったはずである。 戦前の地図ではこの道は村道、地元では重要な道路である。この崖下を昔は番場と呼んでいた。また坂上にはかつて稲荷社が祀られていたので、番場稲荷の坂と呼ばれるようになったのだが、現在はどちらも残っていない。
いつの間にか高度を上げた坂上に接する階段からは急坂が展望できる。 かつてはこの道から鶴舞池が望めたはず。 谷あいに広がる田んぼの上流に池があり、鶴やコウノトリ、トキが飛び交う江戸時代の風景を思い浮かべる。
Photo:2017/1/29
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