おう坂(板橋区徳丸)
不思議な坂である。 こういう坂のほとんどが徳丸では無名の坂なのに、ここだけはおう坂という名前がある。 同じような坂は辺りにたくさんあるから何か特別な理由があるのではないかと思わざるを得ない。
おう坂は右の階段ではなく正面の細い路地の急坂である。板橋の言い伝えでは、「胸を合わせるような急坂なので、合坂(おうさか)と呼ばれた」とあるが、このパターンは江戸市中では胸突坂となる場合が多い。 新坂の坂上近くから北方向に入る路地坂であるおう坂は、なぜここに必要だったのだろうか。 それも謎である。
坂上の部分は階段になっているが、コンクリート階段なのでそれほど古いものではない。 この階段部分だけをおう坂とする説明もあるが、やはり新坂から上までをすべておう坂とした方がいいように思う。坂下と坂上の高低差は7m。しかも戦後高度成長期までは存在しなかったと思われる路地なのに、名前があるのは何とも不思議である。
Photo:2017/1/29
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