暗闇坂(板橋区南常盤台)
東武東上線のときわ台駅の南側、誠の碑(故宮本警部記念碑)の踏切から南へ伸びる常盤台銀座通りから環七に下る坂道。 宮本警部の話は記憶に新しい。2007年2月6日、自殺を図って踏切に飛び込んだ女性を助けようとした53歳の警部は「死ぬんじゃない」と踏切から女性を引っ張り出したが、女性は助かり警部は電車にはねられ亡くなった。やるせない話である。
暗闇坂は踏切からいくと2つ目の辻を南東に下る道。 この路地は常盤台銀座通りから環七までの間しかない区画整理後の取付道路のようだが、実は古道。 昔からあった道が区画整理で付け替えられたがここだけが残ったのである。 江戸時代は川越街道が下頭橋で石神井川を渡ると、川越街道と常盤台の天祖神社への道と二つに分かれていた。 この天祖神社へ向かう道がこの暗闇坂だった。昔は、覆いかぶさる樹木で昼なお暗い道だったのでその名が付いた。
常盤台一帯は、旧地名を北豊島郡上板橋村字向屋敷といい、昔は道沿いに民家が2、3軒あるだけの「前野っ原」と呼ばれる農地だった。大正3年(1914)に東上鉄道(現在の 東武東上線)が開通したが停車駅がなく、昭和初期に東武鉄道が一帯を買収した後も、しばらくは民間の飛行場として使われていた。その後、 昭和10年(1935)に武蔵常盤駅(現在のときわ台駅)が開業し、常盤台住宅地の分譲が開始された。
Photo : 2018/4/8
| 固定リンク | 0
コメント