宮前坂(板橋区四葉)
板橋区四葉は徳丸と高島平の間の町名。 ほんの50年前はのどかな農村風景だった場所である。 現在はまだかつての農家と新しい戸建が共存している。 前谷津川が流れ、水車小屋があった風景が再現されて、水車公園になっている。
水車公園には昔の炭焼き窯も残されており、興味深い。昔はここでも周辺の雑木林の材を使って炭焼きが行われていた。 水車小屋の前には昔、前谷津川が流れていた。 農業用水として使われてきたが、昭和59年(1984)に暗渠化された。 現在も一部は緑道になっている。
宮前坂は水車公園の前から北に上っていく。 江戸時代からの古道である。 纏(まとい)をかたどった看板の建物(上階はアパートっぽい)の前をくねりながら上る姿はまさに古い道筋である。 坂の途中に庚申塔がある(現在は工事で消えているようだ)。
この辺りは庚申塔や石仏が多い。 この3基の庚申塔は現在開発工事で亡くなってしまっているようだが、地元の方がきちんと移設してくれているのではないかと期待している。宮前坂の東側は最近相続でもあったのか盛んに地ならしが行われているから、また戻ってくれると嬉しい。
宮前坂の由来はどの神社だろうと思いながら坂上を進むと、バス通りの向こうに四葉稲荷神社があった。 元亀3年(1572)創建の四葉村の鎮守である。この神社が宮前坂の名前の由来かと思ったが、板橋区の資料だとこのあたりの旧地名が宮前だったからだとある。 心の中で(四葉だろう)と突っ込むが、根拠が見当たらない。 昔の稲荷社はかなり広かったようで、そこに向かって上っていくので個人的には自説を取りたいところである。
photo : 2016/11/12
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