大坂(板橋区徳丸)
板橋区の大坂は徳丸七丁目を首都高5号池袋線から南へ上る坂道である。 坂は江戸時代からの坂道で、荒川低地の徳丸田圃から上り徳丸北野神社脇に繋がる道だった。 この徳丸七丁目の崖線には緑が残っていて、わずかではあるが昔の風景を残しているように思う。
徳丸地区では最も長い坂と言われるが、他にも長い坂はある。 それで大坂と呼ばれるようになったようだからそこは尊重しなければならない。 第一、江戸時代や明治時代のことについては地図しか頼りがない。
坂上には小さな稲荷神社がある。 社殿は半畳ほどだがそれに比べると大きな狛狐が置かれている。左の狐は鍵を咥え、右の狐は稲穂を咥えている。 稲荷神社の狐が咥えるものにはいくつか種類があって、稲穂=五穀豊穣、巻物=知恵、そのほかに鍵と玉がある。玉と鍵というのは稲荷神の象徴で、花火で「鍵屋」「玉屋」の掛け声はここから来ており、江戸時代の花火屋が当時の稲荷信仰から屋号にしたという。
photo : 2016/11/12
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