長徳寺の坂(板橋区大原町)
長徳寺は真言宗の寺院。 開山は鎌倉時代の初期と伝えられるが、江戸時代以前の詳細は不明。 運慶作の大日如来が本尊とされていたが、慶長5年(1600)大火に遭い、次いで昭和20年(1945)の戦災により焼失してしまった。これより前は明治32年(1899)に大改修が行われた。戦後から現在にかけては、昭和38年(1963)に本堂が再建され同55年(1980)に山門が再建され今日に及ぶ。 江戸時代の絵図には長徳寺大日堂とあり、大日如来が信仰されていたことがわかる。
長徳寺の坂はこの門前を寺の塀に沿って首都高速池袋線下から中山道に向かって上る。 高速下は出井川の流れだった筋。昭和の中期まで川が流れていた。 江戸時代からの道は中山道からここを通り、上板橋村へと繋がっていた。 また門前から東に緩やかに上る栄道があり、この道は現在の本蓮沼駅(中山道)に出るが、この道もまた江戸の痕跡を残している道である。
坂名は長徳寺の前を通る坂であるため,この坂名になった。前野の古い道の一つに「お大日道」があり,練馬道(富士見街道)から分れ出井川の谷に下り, 長徳寺の南側の坂になる。 こ/のお大日道はおそらく長徳寺の大日堂に因むものだろう。
Photo:2018/9/18
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