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2018年11月12日 (月)

猿坂(大田区上池台)

呑川の分流に洗足流れ、さらにその分流の鸛の巣流れという沢があった。 この鸛の巣流れの谷から馬込の台地に上る坂道が猿坂である。 この道は江戸時代からある古道で、池上本門寺から子安八幡下を通り夫婦坂に至る道だった。 坂下の辻には祠があり、馬頭観音が祀られている。

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祠はブロック塀に囲まれ立派なものだが、中にある馬頭観音はかわいいものだった。 天保9年(1838)のもので180年前になる。 昔はもっと坂下を南下した、の道路脇に立てられていたが、品鶴線の土地買収により現在位置に移動した。 昔は猿坂が主要道だったが、大正時代から昭和初期にかけて耕地整理が行われて、並行したバス通りが出来るとこっちの道はあまり使われなくなった。

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この道は目黒道とも呼ばれる。 池上本門寺と目黒不動を結ぶ参詣の道でもあった。 坂の上下に木製の標柱があり次のように書かれている。

「『新編武蔵風土記稿』の林昌寺の項に、「境内墓所の側に坂あり、猿坂と呼、昔山林茂りて猿多く往せし故是名あり」と記されている。
おそらく、古くから知られた坂道であろう。」

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坂は墓地の脇をくねりながら上っていく。 この道の曲がり具合がいい。 いかにも古道という風景である。 坂の高低差は20mほどある。 古道だからなるべく勾配が緩やかになるように崖線を斜めに上っていく道筋なのである。

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大田区のHPには、「昔、子安八幡神社、林昌寺(仲池上一丁目14番)からこの猿坂にかけての台地は森林が続き、猿が多く生息していたともいわれ、坂名はそれにちなむものなのでしょう。また、この坂を通る道は、池上本門寺前から仲池上の根方ねがたを通り、猿坂を通って台地に上り、馬込の夫婦坂を経て荏原町に達する古い道です。」とある。

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坂上の民家にもひっそりと庚申塔が立っている。 祠と塀の加工はかなり手の込んだもので、頭が下がる。 享保8年(1723)の庚申供養塔。この道が池上本門寺をお参りしたのちに、目黒不動から江戸に帰る行楽客、参拝客で賑わった道だったことが想像できる。

photo : 2017/5/3

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