相生坂(大田区仲池上・上池台)
相生坂という名前の坂は東京23区内にいくつかある。 新宿区東五軒町にある相生坂は二つの坂が平行に並んでいる。 文京区湯島聖堂の前の坂も相生坂だが、これは神田川の対岸の淡路坂とペアにした平行の相生坂、あと五反田駅から白金に上る国道1号線の坂も相生坂だが、これは1本の坂。 しかし実は白金台から下る坂と御殿山から下る坂を並べて相生坂と呼んだのが由来。
つまり平行に二本の坂が並んでいる場合に相生坂と呼ぶケースが多いということになる。 この相生坂ももちろん新幹線の線路を挟んで対になっている。 坂下の標高が8mで坂上は28mと20mの高低差がある。 しかし北側の坂は途中から北に折れているので12mほどの高低差しかない。
「新幹線を挟んで両側に、二つの坂が並んでいる所から、この坂を 相生坂 という。昭和初年耕地整理により出来た坂である。」
標柱は北側の坂にも同じものがある。 遠くに武蔵小杉のビル群が見える。ちょっと広い土地があるとすぐに高層ビルを建てたがる街づくりは近視眼的だと思う。 人口も減っていくのだし、もっとサステイナビリティを考えた街づくりをした方がいい。 コンクリートは木造の半分しか持たないことは多くのインフラを見れば明らかなこと。 こうして地形を感じながら街歩きをしていると、そこが気になって仕方がない。
新幹線が開通したが1964年。 それ以前はどうだったのだろうと調べてみた。この新幹線と横須賀線が平行した路線は1964年以前からあり、昭和4年に品鶴線(ひんかくせん:品川-鶴見)という貨物線として敷設された。旅客線化されたのは1980年で横須賀線が走るようになり、2001年からは湘南新宿ラインも走り始めた。 大正時代には道はあったものの相生ではなかった。北側の坂下が途中で線路から離れていくのはそれが昔の道筋だからである。
photo : 2017/2/26
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