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2018年12月29日 (土)

円山坂(渋谷区円山町)

江戸時代の俗は聖の傍にあった。 有名な神社や寺社仏閣の傍には遊郭や岡場所(娼婦の集まる街)があった。 戦後になり、赤線を廃止し、売春など社会の裏側をクリーンにしようとしてきたが、やっているのが人間なので巧くいくはずもない。 歌舞伎町を浄化しようと都庁の輩が躍起になると、渋谷が一大風俗空間として発展してしまう。 昔は、表裏を合わせてバランスを取っていたが、そのバランスを取れない人間が主導するのでどんどんおかしな社会になっていくように思う。

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円山坂はそんな渋谷の恥部的な場所にある坂道。 通りの半分はラブホテルである。なるべく人に会わないようにと時間を選んだが、それでも数組が出入りする脇を歩く羽目になる。坂下の入口に在った円山坂の表示は、道路の拡幅時に取り払われてしまったので、現在はここが円山坂という認識を持った人はほとんど皆無である。

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坂下の向かい角はかつての「松涛温泉シエスパ」、爆発事故を起こした会員制温泉施設である。その裏手は日本でも最高地価の住宅地松涛。 渋谷の混沌の街からも目と鼻の先で、邪悪な空気に包まれた気がしなくもない。

かくいう私もこの街で働いていたことが有る。 まったくカオスな街である。当時は平気だったが、現在は1秒でもそこに居たくない街になってきた。なので、この坂が東京23区の名前のある坂838坂の最後の坂としてやむを得ず再確認に訪問したわけである。

photo : 2018/12/28

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