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2018年12月18日 (火)

ころころ坂・桜坂・茅坂・道灌坂(上井草)

上井草駅の南側には広々としたスポーツ施設(上井草スポーツセンター)が広がっている。 この一部、グラウンドのある所は1936年~1959年の間、東京球場という名前の球場だった。 西武鉄道の開発した土地だったが、水道橋の後楽園球場のインパクトを受けて、衰退した。ただ、終戦後神宮球場が米軍に接収された1946年から数年間は、ここで東京六大学野球が開かれていた。

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上井草スポーツセンターの南側に区立井草中学校がある。 中学校の東側の坂道がころころ坂と呼ばれている。 坂を下り、井草川暗渠を越えた先にあるどんぐり山公園に因んでころころ坂と名付けられた。

中学校の正門前に「千川上水忌要」の説明板があった。 千川上水は、ここではなく上井草駅の北側を流れていた玉川上水の分流。 上水の廃止は昭和42年(1967)だが、それを無念に感じた当時の校長が惜念をもって上水を偲んだものの様である。

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中学校の西側の坂道が桜坂。 学校の生垣に何本かの桜が植えられており、卒業や入学の頃の印象から桜坂と付けられた。 坂下は井草川までは行かず、丁字路で坂が終わる。 井草川暗渠の南側には三谷小学校がある。

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桜坂下を西に進むとすぐに北への道。 この一角には設備工事業者があって、中型のダンプトラックの往来が多いのがいささか五月蝿い。 この坂道は茅坂という。 昔は茅場だった場所だからである。 家々が茅葺屋根の頃、その屋根材としての茅の群生しているところを茅場と呼んだ。 辺りは井草川よりも若干高い土地だが、傾斜地だったので、田んぼには適さず、大正以前は茅場にされていたのであろう。

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茅坂の西側は水道局の上井草給水所。 その西側はバス通りで西荻窪と石神井公園を結ぶ主要道。 環八の井荻トンネルができる以前は、この道で関越自動車道に向かったものである。 坂を下りきったところを井草川暗渠が横切っている。 そこにあった橋が道灌橋という橋だったので、坂名が道灌坂となった。 暗渠に向かって下り、再び上る。 そのまま南下すると青梅街道に出る。

昔はこの橋の辺りで塞ノ神祭り(ドンドン焼)を行っていた。 ドンドン焼は地区の外れの村境で悪いものが入ってこないようにと行われていた祭りで、ここは上井草と今川の境の橋だったから祭りの場所となったのだろう。

photo: 2018/11/23

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