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2018年12月23日 (日)

桜上水駅前の坂群(世田谷区桜上水)

桜上水駅の南側一帯には名前の付いた坂が5坂ある。 桜上水5丁目の自治会が「道の会」を結成し名付けたもので、2009年に出来た坂名。 きっかけは防災訓練だったそうだ。 防災訓練を実施した時に、相互で場所を伝えようとしたが、なかなか伝えることが出来なかった。商店があるわけでもなく、普通の住宅街だったためである。

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自治会のメンバーはこれではいざという時に困る、という危機感から議論を重ねた結果、住民から坂と通りの愛称を公募した。 そして5つの坂と通りの名前が決定されたのである。 生まれたばかりの坂名が公募であるという点で、取り上げるほどの意味を感じないが、これはこれで平成の坂名としては良いのではないかとも思った。

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東の改札口寄りを南北に走るのが駅南(えきみなみ)坂。 その名の通り、駅の南口から下る坂だからである。 高低差は2mほどしかないが、この坂は北側が坂下で南側が坂上になる。

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西隣の坂は細道坂。 坂名がつけられた中でもっとも道幅の細い坂道である。 この坂も北が低く南が高くなっている。 街路はどれも戦前の耕地整理によって出来た道なので、この道のように細い道が出来たのであろう。 現在では2項道路と呼ばれ、建て替えの時にはセットバックが義務になる。(4mの道幅を確保するための法律)

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その西側はそよ風坂。 この坂も北が低く、坂名は駅に向かって下っていくとそよ風を感じるというのが命名の由来。 ただ、この坂はほとんど高低差がない。 線路に近づいたところで若干下り、1mほど低いだろうか。

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西から2番目の坂はタッピング坂。 この坂の名前を見た時に、誰かがタップダンスで歩いたとか、タッピングねじを作る工場があったとか、そういう由来を想像したのだが、見事に外れた。 戦前から高度経済成長期の頃まで、この坂には3階建ての洋館があり、そこに通訳をしていたアメリカ人のヘレン・タッピングさんという方が住んでいたのが由来だそうである。

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最西の花火坂は花火工場があった…のではなく、この坂上から二子玉川や川崎の花火大会の花火がきれいに見えることから付けられた。 というのも西側のタッピング坂と花火坂は、北が坂上で南が低くなっていて、東側の坂と反対になっている。 これは目黒川支流の北沢川と支沢がこの町の南と北に流れていて、その間の小高い地域に町があるからである。

南側の低地は北沢川の本流筋の源流が削ったエリア。 北側の低地は現在も駅前踏切近くに沢のわずかな半開渠(薄い蓋をしただけ)が残っている。 鉄道が出来る以前は旧甲州街道近くまで沢があったようだ。 水道道路を越えると北側の沢は暗渠になり、松沢中学校、松原高校の脇を流下、日大桜丘高校と緑が丘中学校の間あたりで本流に合流していた。

実は私もこの坂名を付けた自治会のサポートをした世田谷トラストまちづくり(財)の個人会員になっている。 この坂の話はごく一部で活動範囲は広い。 その他の自然保護など、なかなか素晴らしい多様な活動をしている。

世田谷トラストまちづくり(一財)ホームページ

photo : 2016/10/22

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