ウテナの坂(世田谷区南烏山)
京王線蘆花公園前駅前から南に下る道がある。 そのまま南下するとウテナ本社前を通り世田谷文学館へ、やがて粕谷村地蔵尊の変形交差点で千歳通りに合流する。 ウテナ本社前から世田谷文学館に向かってやや下りになっていて、これがウテナの坂。
写真は坂下から望んだもので、文学館の和風の塀が長く続いているが、その向こうには有料老人ホームが塀の中にある。 ただここは次元の違う老人ホームで月額数十万円~200万円の入居料で、限られた人(もしかしたら万人に1人とか)でないと入居できない。 ちなみに近くにある区立老人ホームは食費を含めて月間10万円程度。 こういう常識外れに高価な老人ホームを世田谷区の公共施設と共に建てていることに大いなる疑問を感じざるを得ない。
さて、ウテナの坂だが、もちろんウテナ本社が坂名の由来である。 大正時代末期(1923)に漢方薬の製造を手始めに化粧品会社に発展したウテナの工場があった。 化粧品第1号は「ウテナ液」という肌を白くするものであった。 私が子供のころの記憶ではウテナ男性クリームやお子様クリームの記憶が残っている。
昭和初期にはウテナの坂も相当急な坂だったという古老の話だが、実際は坂上と坂下で3mほどしか高低差がない。 このかすかな低地は烏山の鴨池(高源院)を水源とした烏山川の源流のひとつが削った低地。 この川は下っていくと池尻大橋で目黒川となり、天王洲で東京湾に注いでいる。
photo : 2018/11/10
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