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2018年12月 3日 (月)

どんぶり坂(練馬区向山)

豊島園の南を東西に走る下って上る薬研タイプの坂道があります。 地元の呼び名でどんぶり坂といいます。 単純に坂の形状をどんぶりに例えたものでしょう。真ん中がくぼんでいるということは、その昔ここに沢が流れていたということを示しています。 豊島園の園内を西から東に石神井川が流れていますが、その支流の沢です。

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今となっては川跡も暗渠もありませんが、戦前の豊島園にはこの沢筋に池が点々と残っていました。 豊島園は大正15年に日本庭園として藤田観光の藤田好三郎が開園したもの。その昔は豊島氏の居城である練馬城があった場所で、豊島氏の名前から園名を付けました。豊島園駅の開業は昭和2年、しかし昭和6年に昭和恐慌のあおりを受けて売却され、昭和16年に武蔵野鉄道(現西武鉄道)がここを所有していた会社を吸収、戦後になって遊園地は再開されました。

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練馬区なのに豊島園という名前なので、不思議に思う人もいるでしょうが、豊島区のとしまではなく、豊島氏のとしまなのです。水源のある坂の窪みの南側には向山庭園(こうやまていえん)があります。 誰か財閥の邸宅跡かと思いましたが、不動産会社がマンション用地として購入したのを住民が反対運動をして、結局練馬区が3億5千万で買取り日本庭園にしたものとのこと。池は古く、豊島氏時代の練馬城の濠跡と言われています。

photo : 2018/11/8

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