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2019年1月18日 (金)

勝鬨橋 (隅田川 中央区築地/勝どき)

東京の近代化のシンボルでもあるのが勝鬨橋。 2018年11月に豊洲市場移転に伴う環状2号線の開通で築地大橋に隅田川の河口の橋の座を明け渡したが、存在感の点では築地大橋は到底勝鬨橋には及ばない。

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勝鬨橋が完成したのは昭和15年(1940)のこと。 日露戦争に勝利した結果、日本の世界的地位は高まり、国家的イベントして1940年の東京オリンピックと東京万国博覧会が計画されていた。 その東京万国博覧会のメインゲートとして、新たに埋め立てた現在の晴海と豊洲の万博会場と東京市内を結ぶ橋が勝鬨橋であった。 しかし戦争の足音とともに東京オリンピックも東京万博も幻と消えたのである。

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勝鬨橋は珍しい可動橋(跳開橋)である。 これは当時隅田川を通る大型船舶が多かったためで、陸運よりも水運に重点を置いていた時代であった。 橋が跳ね上がるのは9:00、12:00、15:00の一日3回、約20分間開いていた。 戦後、昭和22年(1947)には都電が開通し、開閉回数は徐々に減少し、ついに昭和45年(1970)に閉じたままになった。 ちょうど大阪万博開催の年というのも因縁を感じさせた。

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勝鬨橋が架かる以前はここに「勝鬨の渡し」があった。 渡しというから江戸時代からかと勘違いしそうだが、江戸時代現在の勝どき地区や晴海は海の中である。明治になり、佃島から沖合の浅瀬がどんどん埋め立てられ、月島に工場が立ち並ぶようになった。 明治25年(1892)から月島の渡しが聖路加ガーデン近くにあったが、到底輸送量不足となり、明治38年(1905)に京橋区民の有志が渡しを始め、後に東京市に渡船と渡船場を寄付し、勝鬨橋が出来るまで運行された。

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橋の築地側に「かちどき 橋の資料館」がある。開館は毎週、火、木、金、土曜日という変則、入場は無料。 訪問時は高齢者のボランティアと思える老人が受付におられた。 無料だが貴重な橋の遺産や資料が沢山あって興味深い。 資料館の裏手は、2018年に役目を終えた築地市場がガランとした空間を見せていた。

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