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2019年1月10日 (木)

井の頭池・ひょうたん橋と水門橋(神田川)

東京には数千の橋がある。 橋の数え方は「本、基、橋(キョウ)」の三種があるが、河川に架けられるものは「本」を用い、建造物としてカウントする場合は「基」だそうだ。 坂の研究でも第一人者である故石川悌二氏が『東京の橋』というとてつもない書物をお書きになっている。 石川氏の調査のカウントではおよそ5,500橋となっているが、その踏破はさすがに真似できない。

それ以前にあまりの数の多さに、どれを選ぶかという悩みが付きまといそうである。 坂と違って、もちろん橋はまだ全踏破していない。 だから追々書き連ねていくしかないだろう。 日本橋の次はということで、その源流を今回は選んでみた。 神田川源流の井の頭池、その吐出し口に架かっている二つの橋、ひょうたん橋と水門橋である。

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井の頭池の北西奥の岸にある湧水が「お茶の水」、現在は湧水ではなく地下水をポンプで吸い上げている。 都内の自然湧水の多くは同じような状況である。 徳川家康が井の頭池の湧水を関東随一の名水と誉めてお茶を淹れたという伝説から「お茶の水」と呼ばれるようになった。

地下水の水位はかなり変動しているようだが、実は井の頭池の池底のあちらこちらから湧いている。 大雨が続いたりして地下水水位が上昇すると、ほぼ神田川の流量に匹敵する湧水が今でも湧く。 このお茶の水も地下水位さえ上がれば湧水が出てくるのである。

しかし昔と違って、現代は下水排水はすべて下水管に流され、地下に浸透することはほとんどない。 そのために地下水が減少しているといっても良いだろう。 多摩地区の住宅開発が進むにつれて、湧水量が減ったのは致し方ないことなのである。

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井の頭池の水が神田川に流れ出す手前にひょうたん池を通過する。 井の頭池と瓢箪池の間に架かっているのがひょうたん橋。  厳密には神田川の橋ではなく、井の頭池に架かる橋という扱いである。 しかしここで取り上げたのは、ひょうたん池の方が水門橋よりも見た目の雰囲気が良いからだ。

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水門橋は公式な神田川の起点なのだが、ちょっと味気ない造りの橋である。 しかし橋の脇には、石柱とともに説明板が立てられている。

「ここが神田川の源流です。 神田川は善福寺川、妙正寺川と合流して隅田川に注いでいます」 と書かれている。 神田川の全長は約25㎞程だが、東京の中小河川では珍しく、暗渠のない「全開渠」の川である。 神田川を全踏破したのは2015年~2016年にかけてであった。 区が変わると雰囲気が変わるという面白さもあって、おすすめの散歩ルートである。

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