駒沢交差点にあった庚申塔(世田谷区世田谷)
ボロ市で有名な代官屋敷の敷地にある移設された庚申塔のひとつである。 移設されてしまうと、多くは元の場所が分からなくなってしまう。 しかしこの庚申塔は素性がはっきりしている。現在は代官屋敷の奥、世田谷区郷土資料館の入口脇に多くの庚申塔や道標などと一緒に並んでいる。
元あった場所は国道246号線(玉川通り)と駒沢公園通りの交差点(駒沢交差点)の北東側の角。駒沢2丁目17-1にあったものである。昭和60年に当地の加藤家から資料館に寄贈されたとある。造立は延享4年(1747)で、正面には「西は大山道」と大きく彫られている。右側には「東ハ赤坂道」、左側は「右めぐろ道」とあるが裏は読めない。
大山道は三軒茶屋で二手に分かれ、北は代官屋敷を経て用賀へ、南は上馬から桜新町を経て用賀へ、それ以外にも大山道は一本ではなく複数あったというのが分かっている。こういう庚申塔や道標は路傍にあって近所の人に守られているものがベストだと思う。寺社や資料館などへ移設されたものが多いが、素性が分かれば中級、分からないものはやはり残念である。私が知る限りでもここ数年でたくさんの野仏や石碑が撤去されている。何百年もの歴史を経たものをもっと大切にする文明になってもらいたいものである。
| 固定リンク
コメント