中里の庚申尊(世田谷区上馬)
国道246号線の旧道である上馬~三軒茶屋の間の道は中里商店街という。蛇崩川を街道が渡る辺りを中里といったのだろうか。明治時代はまだ蛇崩川付近には商店が少なく、三軒茶屋側か上馬交差点側に街道筋の商店が集まっていた。三軒茶屋というのは本当に3軒の茶屋があったためについた地名である。田中屋、角屋、石橋屋(信楽)という3軒が大山街道の分岐点にあった。お茶屋というのは座敷にお膳を整えて、茶屋娘を置く接待料理茶屋である。カフェ的ではなく、少し場末になるとすぐに岡場所になるような店も茶屋といったが、三軒茶屋のそれはおそらくそういう店ではなかった。
この中里通り(旧道)が明薬通りと交差するところにお堂がある。中を覗いてみると、庚申塔が1基祀られている。蛇崩川を渡った駒沢側にあったものが残っているのだろう。
文字が赤くなっているのは後年誰かが塗り込んだものだろう。造立年は貞享2年(1685)、板状駒型で青面金剛像と邪鬼が彫られているが三猿は見当たらない。下の部分には14人の施主の名前がある。旧街道沿いは野仏が残っていて散歩も味が出る。
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