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2019年7月17日 (水)

浄真寺参道の石仏(1) (世田谷区奥沢)

浄真寺は山号を九品仏という。そのまま駅の名前になっているだけでなく、浄心寺の通称も九品仏である。九品仏の名の由来は浄心寺にある9体の阿弥陀如来像だが、この9体の仏像が実に素晴らしい。どれも眺めていて飽きることがない。もっともテーマは野仏であるから、阿弥陀如来像については別述ということで。

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九品仏駅は踏切の真ん中に改札出口がある。そこから北に少し歩くとすぐに長い参道になる。九品仏浄真寺の縁起については、延宝6年(1678)に徳川幕府より奥沢城跡地を拝領して創建。幸運にも関東大震災や戦災の被害をあまり受けず、多くの貴重なものが残されている。門前の参道を進み、総門が近づくと左側に並んだ石仏群が目に入る。タイプの異なる8体の石仏がアンバランスに並ぶ。まずは左の4基について取り上げたい。

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まず左端にあるのが三界万霊塔。造立年は文政5年(1822)。三界万霊塔は路傍、寺院の入口や境内、墓所などに立てられる供養塔である。「三界」とは、欲界(食欲・物欲・性欲)、色界(物質の世界)、無色界(物質も欲もない世界)の概念だが、過去・現在・未来とする説もある。どの塔にも通じるのは、万物、万霊に対して供養するという意味合いを持っているということだろう。

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二番目は欠損と風化がひどすぎて読める文字は僅かだが、資料を確認すると青面金剛像、三猿を彫った庚申塔である。左面には新田・池上道、右面には九品仏道とある。造立年は不詳。

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左から三番目はひときわ高さのある石塔。実はこれも庚申塔である。このタイプは滅多に見掛けない。造立年は延宝8年(1680)と古いもの。正面には文字で「奉寄進庚申供養」とあり三猿が彫られている。右面には武州豊嶋郡江戸本八町掘四町目とある。さすがに浄真寺程の規模の寺になると八丁堀の講中からも寄進があるのだろう。この塔の高さは2.45mもある。

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四番目は丸彫の地蔵立像である。この地蔵は年代不詳。顔はほとんど欠損している。総門に入る前から、浄心寺の石仏群は重鎮感がある。すべて取り上げると途方もない情報量になり、前に進まなくなりそうなので、代表的なものだけをピックアップしたい。特に三十三間堂前には数十体の石仏があり、再建中の閻魔堂前にも何十もの石仏がある。いつかじっくりと一基ずつ調べてみたいと思う。

場所  世田谷区奥沢7丁目36-12

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