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2019年9月17日 (火)

恵比寿南三丁目の道標と欅(渋谷区恵比寿南)

恵比寿駅周辺は21世紀になって再開発が止まらない。昔は山手線の駅で渋谷の次は目黒と言われたくらい忘れられた街だったのだが、バラエティの芸能人がやたら出没したりして人気になり、かつての街の姿はすっかり消えてしまった。強いて言えばかつては駒込のような雰囲気の駅だった。駒沢通り沿いのアーケードは昔からあり、おもちゃ屋さんや洋服やなど普通のお店が並んでいた。その先は海軍省の敷地、戦後は英国軍豪州軍のエビスキャンプとなり、後に自衛隊の防衛研究所になった。その門の少し手前に、ゆるやかな新富士坂があり、坂の入口に道標があった。

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道標の造立は安永8年(1779)5月、角柱型で正面には「南無阿弥陀仏」、右には「ゆうてんじ道」、左には「不動みち」と彫られていた。この敷地の盛土の上は国家公務員宿舎原町住宅だったが、いつしか払い下げられ近年野村不動産のプラウドという高級マンション(恵比寿ヒルサイドガーデン)が建設中になっていた。2020年完成だそうである。

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道標がなくなったと思いきや、説明書きが貼ってありホッとした。マンション完成後は少しだけセットバックして再建されるとある。2020年の春には新たにここに道標と、隣にある小さな猿像…これが出所不明で何も文字が書かれていないのでわからない…も戻ってくるようだ。猿像は初期の庚申塔にみられるので、結構古いものではないかと想像する。

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いいことがあれば悪い事もある。道標の場所から少しだけ新富士坂を進んだところに欅の巨樹があった。渋谷区の保存樹木に指定されていたのだが、伐採されてしまったようである。工事標識を見ると伊佐ホームズという会社がビルを建てているようだ。この会社、世田谷区瀬田にある会社で植樹をしたり、自然にいそしんだりするイベントを開いたりする自然派の建築屋さんなのだが。

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地主が伐採を指示したのか、樹木医がもうこれは植え替えは不可能と判断したのか、いろんなことを想像するが真相は分からない。都会の巨樹はこうして消えていく。それを今までたくさん見てきた。自然の樹木や岩に神が宿るという日本古来の信仰が、まったく世間で通用しなくなってきていることは時代の流れだが、いつか自然の反撃を受ける気がしてならないのは私だけだろうか。

場所  渋谷区恵比寿南3丁目11-17

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