雪ヶ谷八幡神社庚申塔群 左の堂宇(大田区東雪谷)
雪ヶ谷八幡神社庚申塔群の続きである。左側にあと二つ堂宇がある。合計3つの堂宇があるのだが、その真ん中の堂宇には3基の庚申塔が並んでいる。一番右にあるのは、駒型で青面金剛像の右側に「帝釈天王」とある。その右には造立年が、元禄10年(1697)11月と彫られている。青面金剛像と三猿の図柄。下には雪ヶ谷村の銘とともに8人の施主名が入る。8人中5人が直井姓である。
真ん中の庚申塔も駒型、青面金剛像と三猿のデザインも同じ。造立年は元禄4年(1691)2月とある。そして施主名は9人で直井姓が4人。呑川の近くにあった庚申塔に刻まれていた鈴木姓もそれに次ぐ多さである。
左にある庚申塔は若干小さめだがそれでも94㎝の高さがある。ここの庚申塔はどれも立派なもの。 これも駒型で青面金剛像と三猿の図柄。願主は7名すべて直井姓であった。造立年は天和元年(1681)12月と、7基の中では最も古いもの。以上3基の庚申塔は、もとは東雪谷4丁目3番にあったものらしい。荏原病院の北西の東中公園あたりだろうか。
雪ヶ谷村の村民は、池上本門寺が近いこともあり、昔はほとんどが日蓮宗の檀徒であった。そのため日蓮宗の影響が濃く、左の庚申塔の青面金剛像の上には「妙法」とある。しかしどれも大切にされてきたようで、保存状態がすこぶるいい。
さらにその左に小さな堂宇があり、「猿田彦神社」と書かれている。覗いてみると中にあるのは庚申塔であった。駒型で青面金剛像に、これは邪鬼・二鶏が入り下に三猿の図柄。右面には「是より右につ〇みち」、左面には是より左 池上道」とあり、道標を兼ねている。台石の銘は「武州雪ヶ谷村」と「願主直井市三良」とある。この塔の造立は、明和7年(1770)6月とあった。
場所 大田区東雪谷2丁目25-1
| 固定リンク
コメント