桜二丁目の地蔵(世田谷区桜)
前述の桜一丁目の庚申塔の向かいにあるのが桜二丁目の地蔵。 この道が一丁目と二丁目の境で、地蔵と庚申塔は数mしか離れていない。古道の辻にそれぞれ立ち続けてきた石仏である。
地蔵は角柱の台石に載っていて、全体の高さは116㎝だが、地蔵自体は45㎝程。台石に書かれた文字は半分以上摩滅して読めないが、「三界万霊 無学了…」とある。右側には造立年の宝暦9年(1759)9月の文字が見られるが、ピンクの布を上げると舟形光背型らしい地蔵の脇に寛政6年(1797)11月再建と書かれている。僅か40年ほどで一体何があったのだろうか。
台石の左側には「大〇道」とあるが、これは大山道だろう。この辻に北から南へ行く旅人は、この先現在の東京農大と農大一高の間の道を南下し、用賀で大山道に出たに違いない。この辻のすぐ南側には浅い谷があり、ボロ市の方へ小さな流れがあった。実は今もまだその流れが幅1mほどの開渠として残っている。勿論コンクリートの蓋がされているがこういう水線の痕跡が昔の風景のヒントになる。
場所 世田谷区桜2丁目12-1
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