大圓寺の石仏(杉並区和泉)
大圓寺の地蔵堂の脇に石仏石碑が並んでいる。なかなか彫りのしっかりした地蔵菩薩が3基、同じく素晴らしい石工の見せる技を感じる庚申塔が1基ある。ただしどれも年代が分からない。残念である。
左の2基の供養塔については左端は確認していないが、2番目の大きなものは線刻の准提観音立像が描かれた供養塔で文政13年(1830)のもの。一番右に庚申塔、間の3基は地蔵菩薩だ。左の地蔵は舟型の半跏像でわずかに左ひざを立てている。左から2番目の地蔵は地蔵立像で前面右側に黄楊地蔵尊と書かれている。黄楊というのはツゲのことである。おそらく読みもツゲ地蔵尊であろう。ツゲは印鑑や将棋の駒、版木などの工芸美術品に多く使われる材。それと何か関係があるのかもしれない。その右の地蔵は舟型の地蔵菩薩半跏像。これも詳細は全く分からない。
一番右にあるのは庚申塔。右上が欠損しており日月の月が欠けている。青面金剛は邪鬼の上に立ち、その下には三猿が彫られている。見事な彫りである。青面金剛のひざ元には二鶏もはっきりと残っている。間違いなく塔型は駒型だろう。
地蔵堂を左に回り込むと奥に聖観音菩薩立像がある。この丸彫の立像の造立年は安政2年(1855)とある。台石には多くの人名が彫られていて、180名の名前があるという。
場所 杉並区和泉3丁目52-18
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