福蔵院の垢離不動尊(中野区白鷺)
福蔵院の北側の壁に堂宇があり、2体の不動明王像の石碑がある。「垢離不動尊」と書かれている。垢離(こり)とは水垢離(みずごり)などのように、神仏に祈願する前に、海水や冷水を浴びて身を清め、心の穢れを落として清めることをいう。滝行とは異なり、山岳信仰などで聖域に入る時や出発するときに行う儀式である。
左の石塔はやや小さく、右の石塔は大きい。右側は敷石供養塔とある。年代などは読み取れなかった。堂宇の後ろには溶岩が敷き詰められていることから、富士講と関係があるのではないかと思われる。
私の推測だが、こういう垢離不動尊は概ね川の傍にある。ここもすぐ北側は妙正寺川である。そして溶岩を用いたのはおそらく富士講の人々だろう。鷺宮周辺から富士山へ富士講の代表として出発するときに、妙正寺川で身体を清める水垢離を行い、ここで道中の安全を祈願したのではないだろうか。近くに水道もあり、近年はこの石碑に水を掛けてお参りするようである。
場所 中野区白鷺1丁目31-5
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