慶元寺境内の諸仏(世田谷区喜多見)
慶元寺は広い寺である。幼稚園を含めるとざっと33,000㎡(1万坪)ある。そのうち4分の1が墓所で、墓所の中には三重塔もある。この三重塔が建てられたのは平成5年(1993)とごく最近の事。しかしなかなか見事な三重塔である。
広い墓所なので墓石でない石塔を探すのはなかなか骨が折れるが、概ね墓所入口近くにあるのでその辺を集中的に見て回った。無縁仏の中にも庚申塔らしきものが混じっているそうだが、今回は二つの地蔵立像を見つけた。
舟型光背型の地蔵菩薩立像。造立年は明暦2年(1656)10月と古い。台石と合わせて162㎝の高さがある。念仏供養とあるので念仏講中のものだろうか。脇に武刕多麻郡喜多見村の銘がある。
もう一基は明和3年(1766)10月造立の地蔵菩薩立像。願主は単独で河野市郎兵衛とある。世田谷領吉沢講中の銘がある。この場所は有史以前から人間が住着いていた土地で、境内にもかつては7基の古墳があったが、現在では4基が残されているという。寺の周辺にも古墳が多い。
場所 世田谷区喜多見4丁目17-1
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