清水庚申尊(目黒区目黒本町)
目黒通りの目黒郵便局から武蔵小山方面に250m進むと斜めに円融寺通りと交差する。現在はピザ店があるその角に清水庚申尊がある。近くのバス停の名前も「清水庚申」であり、地元では広く知られた場所。この斜めの交差点は江戸時代からこの角度で交差している。現在の目黒区役所は中目黒の元千代田生命本社の場所にあるが、2000年に千代田生命が倒産した時に目黒区が購入した。それまで区役所があったのは目黒区中央町2丁目4の区画で、現在は大きなマンションになっている。そのためこの辺りは本町とか中央とかいった地名になっている。
その清水庚申尊だが、脇に従えている燈籠は一見して切支丹燈籠である。ところがこれが近年の創作なのか昔からどこかにあったものか、全く情報がない。目黒区にはいくつも切支丹燈籠が現存していて、本物の可能性もゼロではないと期待はしているが、どうも見た感じ薄そうである。
主役の庚申塔は角柱型、前面に「南無妙法蓮華経 庚申講中」とある。造立は嘉永7年(1854)10月と意外に新しいが一応江戸末期。道標を兼ねており、右面には「向テ右 いけかみ まりこ 左 めくろ ゑど みち」、左面には「向テ 右 せたかや ふちう 左 しな川 みち」とある。 学芸大学駅からここを通って中原街道平塚への道は品川用水沿いにできた道である。ところがこのあたりだけは品川用水から離れている。おそらく品川用水掘削以前から円融寺道があり、その為にここだけ離れてしまったのではないかと推測する。
場所 目黒区目黒本町1丁目10-18
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