鉄飛坂庚申塔群[帝釈堂内](目黒区平町)
目黒区の中でも鉄飛坂は名坂のひとつである。 その鉄飛坂の坂上にあるのが帝釈堂、そして複数の庚申塔が堂内と境内にある。帝釈堂は日蓮宗にみられる。葛飾の柴又帝釈天も日蓮宗の寺院である。不勉強なので細かい宗派の違いは私にはわからないが、日蓮宗は「妙法蓮華経(法華経)」の題目「何妙法蓮華経」と唱えることを重視した宗派。私は曹洞宗の寺院で両親を弔ったが、比較的近所にあったのが日蓮宗の寺院だったので、墓所は日蓮宗の寺院の境内にした。あの世で「般若心経」と「何妙法蓮華経」と一体どっちだと怒っているかもしれない。
窓の間から堂内を覗くと4基の立派な石塔が祀られている。順番に紹介すると、右端は板碑型庚申塔で、造立年は延宝8年(1680)11月。「奉敬礼帰名帝釈天王」と書かれている文字塔。右から2基目は角柱型の題目塔で、「南無妙法蓮華経」と書かれている。造立は天保13年(1842)。三番目は頂点のきれいな板碑型庚申塔で、「南無妙法蓮華経」とあり下部には帝釈天王が彫られている。造立年は明治14年(1881)11月。
上の写真では柱に隠れていた左端がこれである。 板碑型の文字塔型庚申塔で造立年は貞享2年(1685)11月。こちらも「奉尊敬帰名帝釈天王」とある。日蓮宗系なのは池上本門寺が近いからだろうか。ここには南北にも街道が通っていて、多くの信者が池上本門寺に通ったらしく、あちこちに池上への道標が残っている。
場所 目黒区平町2丁目18-3
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