« 実相院の諸仏(中野区沼袋) | トップページ | お経塚(中野区江古田) »

2020年1月24日 (金)

禅定院の庚申塔(中野区沼袋)

かつての野方村の本村(中心)は現在の沼袋4丁目で、現在の野方駅前商店街がほぼ本村の中程を通っていた。実相院は村の中心にあったわけだが、少し東にある禅定院は村の東に少し外れた場所になる。禅定院の正式名称は瑠璃光山禅定院薬王寺。真言宗豊山派の寺院で総本山は護国寺である。開山は貞治元年(1362)と言われ、実相院が矢島姓を大半とするのに対して、旧上沼袋村の伊藤家の菩提寺であったので伊藤寺とも呼ばれたという。

Dscn1447

比較的こじんまりした寺院であるが、山門を入ると六地蔵がならび、諸仏が迎えてくれる。その中にひときわ時代を感じさせる庚申塔が立っている。

Dscn1453

唐破風笠付角柱型の庚申塔は三猿のみの図柄でいかにも古い時代のもの。「奉供養庚申石塔二世安樂處」とある。造立年は寛文6年(1666)と都内でもかなり古い部類に入る。「禅定院」の銘も刻まれていることから、当時からここにあったものと思われる。江戸時代初期には青面金剛像がない庚申塔が多い。世田谷区最古の上馬の宗円寺の明暦4年(1658)の庚申塔も三猿のみ、世田谷区野沢のテコテン坂の寛文10年(1670)の庚申塔も三猿のみである。この時代は三猿のみが結構多い。

場所  中野区沼袋2丁目28-2

|

« 実相院の諸仏(中野区沼袋) | トップページ | お経塚(中野区江古田) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 実相院の諸仏(中野区沼袋) | トップページ | お経塚(中野区江古田) »