福蔵院の石仏(中野区白鷺)
鷺宮の地名の由来鷺宮八幡神社の別当寺福蔵院は大永元年(1521)の創建。江戸時代から鷺宮の中心である。南へ1㎞あまり進むと早稲田通り。早稲田通りも古い道で、井草から高田馬場への重要な運搬ルートだった。南側に参道と山門があり、山門迄の両側は異なるタイプの築地塀が続いていていい雰囲気である。
参道に入って右側には2体の地蔵尊、右側の小さい方は「子授地蔵菩薩」とあり、明治34年(1901)に念仏講中による造立。左側の大きい方も念仏講中による地蔵尊だが造立年等は分からない。こちらの背景の築地塀は蔦が絡み野趣あふれる雰囲気だが、反対の築地塀は最近建てたかのようにきれいでところどころアクセントの入ったデザインである。こちらには馬頭観世音像が立っている。台石には「天下泰平 国土安穏」とあるが造立年はこちらも不明。
山門を入ると十三仏が並び壮観な眺めである。右から不動明王・釈迦如来・文殊菩薩・普賢菩薩・地蔵菩薩・弥勒菩薩・薬師如来・観世音菩薩・勢至菩薩・阿弥陀如来・阿閦(あしゅく)如来・大日如来・虚空蔵菩薩で13体が並んでいる。うち8体は寛文6年(1666)から貞享2年(1685)の間に造立され、残る5体は破損したと思われ、後の寛政8年(1796)に真言講中により再建されたとある。
本堂前には立派な唐破風笠付角柱型の庚申塔が立っている。文字塔で下部に三猿が描かれ、中央に「奉供養庚申二世安樂」とある。造立年は天和2年(1682)9月と古い物。これ以外にも多くの石仏があったが今回は割愛した。
場所 中野区白鷺1丁目31-5
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