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2020年2月15日 (土)

常仙寺の石仏(杉並区和田)

常仙寺の前を通る道は鍋屋横丁のお題目石のところで分岐して西の妙法寺への参詣道として江戸時代から多くの人々が歩いた道である。常仙寺の辺りは和田村の本村の北に位置し、東小澤という小字だったところ。明治時代までは環七西にある梅里公園を湧水の溜池として水源に持つ小沢が流れ、中野富士見町駅あたりで神田川に合流していた。おそらくその沢から東小澤という地名になったのだろう。

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常仙寺は曹洞宗の寺院、慶長7年(1602)に千代田区の麹町で開山、明治41年(1908)に現在の地に移転してきた。曹洞宗の寺院らしく質素で詫び寂びを感じさせる境内で、本堂手前にある薬師堂の脇に石仏がたくさん並んでいる。小型の地蔵菩薩や聖観音、如意輪観音などがあるがどれも年代ははっきりしない。

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その中のひとつに上の庚申塔がある。角柱型で正面金剛、邪鬼、三猿、二鶏が描かれているもので、造立年は延宝8年(1680)8月。ただし傍に享和2年(1802)12月再建とあるので、江戸時代後期のもの。六臂の青面金剛の比率が全体の8割を占める珍しいバランスのものである。

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石仏の列の奥の中央には4体の幼児に囲まれた地蔵菩薩立像がある。裏面には「茨城県古河市 石工日光」とある。なかなか彫りのダイナミックな地蔵菩薩で、関東大震災の供養として建てられたらしいが詳しい年月は分からない。

場所  杉並区和田1丁目68-11

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