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2020年2月19日 (水)

筏道の庚申と念仏車(世田谷区喜多見)

個人的に大好きな一角である。世田谷通りの喜多見駅入口から少し南に入ったところだが、この辺りの道は江戸時代からある古道。この場所で分岐するのは北側が中道、南側が筏道で、江戸の街の建設を支えた奥多摩青梅の木材を多摩川で筏流しして六郷土手に運んだ筏師たちが川上に戻る古道(筏道)が現在も道筋を変えることなく残っている。二つの道の分岐点には三角地帯があり、庚申堂と念仏車が並んでいる。

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念仏車は珍しいが、近くの慶元寺に新しいものがある。念仏を唱えながら回すと一回回す毎にお経を一巻読むのと同じ功徳があると信じられ、仏教を広めるのに造られたもの。石をくりぬいて六角の木製車がはめ込まれている。この念仏車の造立年は文政4年(1821)11月で「多摩郡世田ヶ谷領喜多見郷」の銘がある。地元の女念仏講中によるものである。

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喜多見郷は講が盛んで、特に念仏講はほとんどの村人が参加、10以上のグループに分かれて戦前まで盛んにおこなわれていた。念仏講以外にも稲荷講、不動講、御嶽講、榛名講、大山講、庚申講なども併存し様々だったという。念仏講の右隣りには堂宇があり、庚申塔と地蔵が並んでいる。

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右の地蔵は享保4年(1719)12月の造立。武刕多摩郡喜多見村 同行94軒とある。当時からすれば村人全員という規模だろう。左の唐破風笠付角柱型の大型の庚申塔は、元禄5年(1692)12月の造立、武刕多麻郡喜多見村の銘がある。青面金剛像、邪鬼、三猿の図柄である。同行130人とあるので村人の大半だろう。農業に支えられ、喜多見氏時代から綿々と世代を繰返してきた喜多見の人々の信心深さを感じられる。

場所  世田谷区喜多見7丁目8-27

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