江原町の舟型地蔵尊(中野区江原町)
西武池袋線江古田駅は「えこだ駅」と読み、大江戸線新江古田駅は「新えごた駅」と読む。どうも練馬区の江古田はえこだで中野区の江古田はえごたのようだが、混乱をひどしたのは駅名ではないかと思っている。東京都が都営12号線(大江戸線)の駅に「新」を付けるから同じものの新旧だと勘違いしてしまう。最初から練馬区はえこだ、中野区はえごたとすれば済む話だったのではないか。
そんな江古田の境目にあるのがこの路傍の舟型地蔵尊。実はこの場所、江戸時代は中荒井村、上板橋村、江古田村の3村の境であった。明治時代の地図にも、大正の地図にも、昭和前期の地図にもこの場所には石塔の印があるので、場所は江戸時代から変わっていない。
舟形光背型の地蔵菩薩像の造立年は寛政9年(1797)、「修行佛子無障難 菩提行願不退轉 四忍法界諸衆生 平等利益證妙果 光明真言 男女講中」と彫られている。念仏講ではないかと思われる。寛政年間にこの地に疫病が流行り、その祈願のために建てられた。昭和初期の区画整理にも巻き込まれず現在まで残っているのは奇跡的かもしれない。
場所 中野区江原町3丁目26-5
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