AMEXビルの庚申(杉並区荻窪)
荻窪駅南口近くにあるアメックス・インターナショナルのビルの前庭に築山がある。現在の青梅街道は天沼陸橋で中央線を跨いでいるが、元々の青梅街道は荻窪駅のホームの東端辺りを通っていたので、アメックスビルもかつての青梅街道沿いということになる。青梅街道の出発点は新宿だが、西の端は青梅ではなく甲州山梨県の甲府。しかし昔は青梅は江戸の街に使う材木の重要な供給地だったので街道名に値する。
昔の街道はほぼ台地の稜線を走っており、この辺りの青梅街道も例に漏れず、南の善福寺川と北の妙正寺川の間の尾根筋を通る。従って川筋よりも標高で6mほど高い。この辺りは北が天沼村、南が下荻窪村というのが江戸時代末期。荻窪から高井戸への道は現在の南口商店街で、青梅街道からの道はこの辺りで分岐していたようだ。
庚申塔は自然石の文字塔。弘化4年(1847)11月の造立で、願主は「下荻久保村 中田村右衛門」とある。この場所には昔、おきん茶屋という休み処があり、明治天皇の小休所になったこともあるが、そのおきん茶屋の屋号が岩本だったので、戦後までここを地元では「岩本」と呼んでいた。江戸時代末期、ここに住んでいた岩本の主人が中田村右衛門で、彼が建てたものである。
場所 杉並区荻窪4丁目30-16
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