蓮華寺の庚申塔(中野区江古田)
哲学堂公園の北にある広い寺院が蓮華寺である。蓮華寺の東側を南北に走る哲学堂通りは現在は新宿区と中野区の区境、江戸時代は葛ヶ谷村と江古田村の村境であった。蓮華寺は日蓮宗の寺院で、創建年代は不詳だが、室町南北朝時代と伝えられる。哲学堂を造った井上円了の墓所も境内にはあった。その井上円了の墓所の近辺に庚申塔がぽつぽつとある。
上の写真は板碑型の文字塔の庚申塔。中央には「南無妙法蓮華経 南無千眼大菩薩」とあり、右左には貞享3年(1687)12月という造立年に加え、「同行12人 南無多寶如来 南無釈迦牟尼仏 」と彫られている。下部には蓮の花のレリーフが見られる。
もう一つの板碑型庚申塔は、享保19年(1734)12月の造立。中央には「南無妙法蓮華経 南無帝釈天王」とある。こちらは下部には願主名らしきものがずらりと彫られているが、よく読めない。上部には日月がくっきりとみられる。
こちらは駒型の庚申塔で板碑型のものと比べると小型である。造立年は宝永元年(1704)11月。下部には三猿がある。これにも南無票蓮華経とあり、日蓮宗の寺院らしい。
場所 中野区江古田1丁目6-4
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