本天沼蓮華寺の馬頭観音(杉並区本天沼)
蓮華寺は比較的多い寺名である。本天沼のこの蓮華寺から東に1.5㎞ほど行くと中野区大和町の蓮華寺があり、あちらの方が数倍広いが、本天沼の蓮華寺も室町時代の創建と中野区の蓮華寺よりもはるかに古い。(中野区大和町の蓮華寺は1658年に文京区で創建し大正初期に中野区に移転した)
山門をくぐると左側に池を中心にした風情ある庭があるが、その奥にさらに山門があり、それをくぐった左側に石仏が並んでいる。上の写真はその一部。左端の供養塔は大乗妙典の六十六部諸願成就のもので、享保13年(1728)11月の造立で「武列多摩郡天沼村」の銘がある。隣の背の高い地蔵菩薩は造立年等不詳、右から二番目の小さな地蔵も年代不詳だが天沼村とある。一番右の小さな舟型の地蔵墓猿は明治18年(1885)5月の造立で、天沼念仏講中とある。
蓮華寺で必見なのはこの馬頭観音。単独の堂宇に祀られているが、造立年は寛延元年(1748)4月で馬頭観音としては相当古いものであるが、像はくっきりとしていて馬頭もよく分かる。高さは64㎝程の小さいものだが、古い時代の馬頭観音は珍しい。牛馬が一般化したのは江戸時代後期からと言われるので、江戸時代中期以前のものは少ないのである。
場所 杉並区元天沼2丁目17-8
| 固定リンク | 0
コメント