天沼2丁目の庚申塔(杉並区天沼)
庚申塔には似合わない明るい民家ある一角にぽつんと庚申堂が立っている。実は以前は天沼2丁目17-2に祀られていたもので、最近この場所に移設されたようである。元の場所からは400m程北北東に移った訳である。
堂内右側には唐破風笠付角柱型の庚申塔、左側には駒型の庚申塔が並んでいる。右の笠付角柱型の庚申塔は正徳5年(1715)11月の造立。青面金剛像に邪鬼、三猿の図柄である。「奉造立庚申供養二世安樂所」と正面にあり、台石には人名も彫られているがほとんど読めない。
一方左側の駒型庚申塔は享保13年(1728)11月の造立。青面金剛像に二鶏、邪鬼、三猿が見事に彫られている。「天沼村講親 長谷川佐左衛門 同行6人」とあり、かなり金持ちだったのだろう。なかなか少人数で造れるものではない。どちらの庚申塔も江戸時代中期の庚申講全盛期のもので、クオリティも極めて高い。
場所 杉並区天沼2丁目42-3
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コメント
大変助かりました。黒田涼「江戸の街道を歩く」祥伝社新書のルートで青梅街道を歩いていますが,この庚申堂は,このガイドブックの裏ページには天沼2-5とありましたので歩く前にGoogleマップのストリートビューをみてもそれらしいものが見当たらず,半ばあきらめかけていた折でしが。次回にもこの庚申堂を訪れてみたいと思います。改めて有難うございました。
投稿: | 2024年4月 7日 (日) 15時28分
お読みいただきありがとうございます。
庚申塔や地蔵はしばしば開発に伴って移設されることが多く、多くは寺院や神社へというパターンが主ですが、稀に別の地主や元の地主の別の土地に移されることがあります。なくなってがっかりしていたけれども見つけて大喜びすることもまた石仏探訪の楽しみです。
投稿: ぼのぼのぶろぐ管理人 | 2024年4月 7日 (日) 19時48分