旧大井庚申堂・来福寺仏堂(品川区大井)
JR大井町駅西口は阪急デパートやイトーヨーカドーで昔から賑やかな街だった。平成になって東口に区の施設やマルイが出店して東口も賑やかになったが、やはり西口は老舗の風格がある。それもそのはず、ここは徳川が東海道を整備するまでの古東海道で、三又から東北へ進むと品川湊へ、そのまま北上すると高輪を経て三田へ至る古道である。南へ進むと平間の渡しで多摩川を渡っていたので、平間街道とも呼ばれた。そんな道筋にあるのが来福寺の場外仏堂で、以前にあった質素な堂宇が亡くなってビル建設が始まったが、できてみるとビルの1回に素晴らしいお堂が完成していた。
中央の経塚地蔵を挟んで左右に庚申塔が2基ずつ並んでいる。横の説明板には「御本尊延命地蔵菩薩 別名 経読地蔵尊」と書かれている。ここにあった堂宇は昔は大井庚申堂と呼ばれた。
左側の庚申塔は、左から笠付の笠が無くなってしまった角柱型庚申塔で、台石に三猿が彫られている。造立年は延宝8年(1680)11月と初期のもの。正面の文字は「奉・・・佛」しか読めない。その右隣りの庚申塔は、舟型光背型の庚申塔で、日月・青面金剛像・三猿・二鶏が描かれている。造立年は享保元年(1716)だが月が読めない。
地蔵の右側には駒型と思われる庚申塔。 日月・青面金剛像・三猿・二鶏が描かれている。享保6年(1721)の造立で、「大井村」の文字がある。その右側は、やはり笠が無くなってしまった角柱型の庚申塔。青面金剛像の下には三猿が描かれている。この笠欠庚申塔の造立年は分からなかった。
場所 品川区大井1丁目44-6
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